JiVaラムサール設立趣意書
日本は、日本書紀に「豊葦原瑞穂國」という国名が登場するのをはじめとして、古来より水田耕作を行い、川や池、海や干潟で魚介類や海藻を手に入れるというように湿地の恩恵を受け、湿地といい関係にありました。ところがその後、湿地はじめじめした 不毛の地、役に立たないところと考えられ、平らで開発しやすいこともあって、埋め立てられ、宅地や工場用地などに姿を変えました。多様な生物が生息・生育し、水の供給、浄化、洪水調整、気候の緩和、炭素の固定、美しい景色の提供などさまざまな機能を持つ湿地の価値が忘れられるようになりました。
このような湿地を国際的に協力して保全しようと採択されたのが、ラムサール条約(正式名称「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」)です。1971 年に採択された自然環境保全に関する国際条約では先駆的なものです。保全ばかりを 義務付けるのではなく、湿地が私たちに提供してくれるさまざまな恵みと機能を賢明に利用することで、湿地の保全につなげようとする先見性を持った条約です。
日本がラムサール条約に加盟したのは1980 年ですが、湿地への関心が高まり始めたのは、1993 年、北海道釧路市でラムサール条約第 5 回締約国会議が開催されて以降だと考えます。国内で湿地に関わる NGO(非政府組織)運動や市民活動が活発になり、私たちが湿地に深くかかわり始めたのもこの時期からです。
国際的には、ラムサール条約締約国会議や地域会合への参加、アジア湿地シンポ ジウムの企画・運営など、国内では、湿地のラムサール条約登録への関与、世界湿地の日のイベントの開催、湿地の恵み展の企画、KODOMO ラムサール(子ども湿地交 流)の企画や協力、ラムサール条約登録湿地関係市町村会議への協力、湿地の CEPA に関わる活動など、行政、NGO、研究者、メディア、企業といったそれぞれの立場でさまざまな経験をしてきました。
私たちは、この経験をなんとか次世代に伝えていきたいと思っています。また、国内にはラムサール条約に登録されたらいいなと思っている湿地や登録されたものの維持 管理に課題をもっている湿地もあり、求められれば、これまでの経験を生かし、相談に乗ったり、手助けをしたいと思っています。さらに、これからは、水戸黄門さんのように、ラムサール条約登録湿地をはじめとする全国の湿地をふらりと訪れ、地元の人たちに親しまれている湿地とその恵みを楽しみたいと思います。国内にはまだまだ身近な湿地、小さな湿地、注目されていないような湿地が残されています。これらの湿地を見つけて、楽しみ、発信していけたらと考えています。
以上のような趣旨にのっとり、私たちは、ここに緩やかな同好の仲間たちとシニアを中心とした新しい集まりとして「JiVa ラムサール(湿地を楽しむ仲間たち)」を設立するものです。
JiVaラムサール会則
(名 称)
第1条 本会の名称は、「JiVaラムサール(湿地を楽しむ仲間たち)」とします。
(所在地)
第2条 本会の所在地は、神奈川県横須賀市三春町5-9-37 名執宅とします。
(目 的)
第3条 本会は以下のことを目的として活動します。
① ラムサール条約登録湿地をはじめとする全国の湿地を訪れ、楽しみ、そのすばらしさ、様子などを伝えていきます。
② 身近な湿地であまり注目されていない湿地の価値や大切さを見つけて伝えていきます。
③ ラムサール条約への登録や湿地の管理で困っていることがあればお手 伝いし、湿地に関わる経験を次世代に伝えていきます。
④ その他必要な活動を行っていきます。
(財 政)
第4条 本会の財政は会費、寄付金、拠出金等によります。
(会 員)
第5条 本会の会員は、目的に賛同する65歳以上の個人で、会員2名の推薦がある者とします。ただし、65歳未満の個人であっても、目的に賛同し、会員2名の推薦により、会員となることができます。
(役員及び職務)
第6条 本会に会長1名、副会長若干名、監事1名、総務1名をおき、会長は会を代表し、副会長は会長を補佐し必要に応じ代理し、監事は財政を監督し、総務は事務局を担当します。
会長、副会長、監事及び総務は会員の互選により選出します。
(事務局)
第7条 本会の事務局を神奈川県横須賀市三春町5-9-37 名執宅内に置きます。e-mail:jivaramsar@gmail.com
(総 会)
第8条 総会を年1回開催します。総会の議決は出席した会員の多数決によります。
(会 費)
第9条 本会の会費は、年1000円とします。
(会計年度)
第10条 本会の会計年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとします。
(会則の変更)
第11条 本会則を変更しようとするときは、総会に出席した会員の多数決による議決によります。
(設立年月日)
第12条 本会は、2020年8月28日に設立趣意書(別紙)に基づき設立総会を開催し、発足しました。
附 則
1.本会則は、本会の設立の日から施行します。
2.設立総会における会員の互選により、最初の役員として次のものが選出されました。会長:名執芳博、副会長:中村玲子、監事:亀山保、総務:名執公子
3.2020年11月8日の臨時総会において、会則のうち、会員に関する規定を一部改正しました。
4.2025年4月26日の総会において、会則のうち、役員の選出に関する規定及び会計年度に関する規定を一部改正しました。