北海道の中山湿原と、猿払(さるふつ)の湿原(佐々木純一、2025年7月)
7月26日。札幌定山渓から喜茂別(きもべつ)に抜ける中山峠の稜線にある「中山湿原」に北方山草会の仲間たちと行ってきました。標高850メートル付近の山地湿原で、植生は高層湿原から中間湿原。面積は2ヘクタールほどの小さな湿原ですが、アカエゾマツ林に囲まれた隠れ家的な湿原です。
雪解けが遅い北海道の山地湿原では、7月はゼンテイカやワタスゲの白い果穂が揺れ、ヒオウギアヤメやイワイチョウ、ミツバオウレンにツルコケモモなどの小さな花が草陰で咲いています。でも今年の猛暑少雨の異常気象に湿原の花暦は狂わせられ、6月下旬から一斉に開花。暑すぎる日々で次の花芽は顔を出さず、いつもなら次々に咲くゼンテイカですらも咲きませんでした。ふつうは人のすねの高さのヌマガヤは膝以上に伸びてしまい、湿原は緑の草原のようでした。そよぐヌマガヤの葉は優しいのですが、いつもの7月の景観ではありません。
その2週前の7月12日には、道北の猿払(さるふつ)の湿原に行きましたが、早くもエゾニュウやエゾノヨロイグサの高茎セリ科植物があの線香花火のような花を立ち上げ、本州だったら秋の高山植物の女王といわれるヤナギランが満開でした。いくら北海道とはいえ、早すぎる花暦に戸惑う今年の湿原です。



