中津干潟と中津城 (大分県中津市)

中津川左岸、河口近くから中津城を臨む
 大分県中津市の中津城は日本三大「水城(みずじろ)」の一つ。1588年に黒田官兵衛によって築城されたもので、英彦(ひこ)山(1200メートル)を源流とする山国川河口の周防灘に面し、北側は海、南側は川、城をめぐる堀には海水が導入され、潮の干満で水位が変わる自然の条件を巧みに利用した「水の城」だった。
 
 山国川(長さ56キロ)は、中流域の景勝地「耶馬渓」を経て広大な中津平野を形成し、肥沃な土砂とともに周防灘に流れ込み、河口に大きな前浜干潟をつくった。中津干潟(1347ヘクタール)だ。ズグロカモメなどの鳥類、アオギスなど魚類、多様な貝やカニが生息し、2010年環境省が、隣接する宇佐干潟とセットで、ラムサール条約登録の潜在候補湿地に選定している。
 
 瀬戸内海の西端に位置する周防灘には、中津干潟、宇佐干潟はじめ曽根干潟(福岡)、椹野川河口干潟(山口)など、有数規模の干潟がいまも良好な状態で残されている。生物多様性、生物生産性に富んだこれら干潟の恵みは、地域に暮らす人々の暮らしを長い年月にわたって支えてきた。しかし、ラムサール条約に登録された干潟はまだない。
 
 中津干潟で活動するNGO「水辺に遊ぶ会」(代表:足利慶聖さん)主催のトークセッション「豊かな自然を未来につなぐⅢ~源流から干潟まで・・・中津ん水物語」(7月6日)に参加するため、大分県中津市にいってきた。
 
 トークセッションでは、中津干潟のラムサール条約登録と並行して、中津市全体として「ラムサール条約湿地自治体認証」を受ける可能性についても議論された。
 
 400年以上前から「水の都」だった中津市のこれからに期待したい。
 
※中津干潟についてはJiVaラムサールのホームページでも紹介しています。(2024年2月11日)