四国カルスト(愛媛県・高知県)

7月21日、愛媛と高知の県境の「四国カルスト」を訪れた。東西に25km、南北3kmの細長い台地で、西から愛媛県西予市、久万高原町、高知県梼原町、津野町、仁淀川町にまたがっている。秋吉台(山口県)、平尾台(福岡県)とならぶ日本三大カルストの1つで、最高地点の天狗高原は標高1400mもあり、秋吉台(300m)、平尾台(300~600m)に比べて高い山地にあるのが特長だ。
愛媛県側は1964年に、高知県側は半世紀遅れて2016年に、それぞれ県立自然公園に指定されている。県境にあるとはいえ、ジオ(GEO)の観点からも自然生態系としても基盤を同じくするカルスト草原台地なのだから、協調して国定公園などの指定を受けていても不思議のない環境資源だと思うが、伊予国と土佐国は簡単には融合できなかったということか。遊歩道整備や観光利用促進へのアプローチもそれぞれ違いがあるようだ。
今回は、高知県側の梼原町、津野町から入り、天狗高原、五段高原、姫鶴(めづる)平を回った。夏雲浮かぶ青空のもと、360度開けたカレンフェルトとドリーネのつらなる草原を歩く解放感は格別だった。
台地を東西に走る尾根沿いに、愛媛県道・高知県道48号線(四国カルスト横断線)が走り、アクセスがいいので、いまの季節、全国から多くのドライバー、ライダーが集まってくる。ほぼ満杯の駐車場に並ぶナンバーは四国4県はもちろん広島、岡山、神戸、大阪、名古屋、東京も・・・・・・。Eバイクにまたがるサイクリストの姿もちらほら。「名物」ソフトクリームの売店前には長蛇の列だ。
残念だったのは、環境教育・普及啓発の視点からのアプローチが希薄だったこと。高山植物やカルスト台地を説明する看板やパンフレットもほとんどないし、自然ガイド付きツアーもなかった。これだけ多くの観光客が自然を楽しみに全国から訪れるのに、もったいない環境教育の機会損失だ。
今回は訪れなかったが、西予市側の大野ヶ原には鍾乳洞もあるという。ラムサール条約は、国際的に保全されるべき湿地のタイプに「内陸の地下カルスト、洞窟系水系」を挙げている。山口県の「秋吉台地下水系」(563ha)は2005年ラムサール条約に登録されている。高知と愛媛両県が協力すれば、「四国カルスト地下水系」のラムサール条約登録も夢ではないかもしれない。











