めだか池(高知県日高村)

6月29日と7月8日、高知県日高村の日下(くさか)川調整池(通称めだか池)を訪れた。
日下川は、仁淀川(全長124キロ)の支川(11.7キロ)で、「小川」とよびたいくらいの川だが、本川より地盤が低い独特の地形のせいで、昔から洪水のたびに仁淀川の水が逆流してきて氾濫し、沿岸の村のほぼ全域を水没させ、人々を苦しめてきた。
逆流をとめる樋門や、水を下流に流す放水路、一時的に水を貯める遊水地などさまざまな対策が練られてきた。そのひとつがめだか池で、1998年に造られた遊水地である。面積14ヘクタール、52万8000トン(東京ドーム3個分)の水を貯めることができ、大雨が降ったとき、日高村を洪水から守る重要な役割を担っている。
めだか池には、生物多様性を育むという、もうひとつの役割もある。ヨシ、ガマ、マコモ、コウホネなどの水生植物が生え、ミナミメダカなどの淡水魚、カエルやトンボが数多く生息し、カワセミが飛び、冬にはカモも渡ってくる。高知県有数の内陸淡水湿地として多くの生きものにかけがえのない棲み処を提供している。
日高村役場は、池の周囲に遊歩道を整備し、「メダカさん家(ち)」と名付けられた観察小屋を設置して、環境教育の場としても活用している。地元のボランティア団体「グラウンドワークひだかむら」が草刈りや日常的な水位管理に協力し、自然観察会や広報・普及活動は「メダカさん家クラブ」が手伝っている。
「いつでも、だれでも集まれる『メダカさん家』であってほしい」と、日高村の小学校の元先生で、集落支援員の武田和志さん。話を聞いている間も、外を行き交う村の人たちが、小屋を覗き込むようにしてあいさつしていく。
高知市から西へ車で30分の日高村は、地場産トマトとオムライスが人気の人口4800人の小さな村だが、その村の中にこんな「宝石」のような湿地がある。










