加茂川の上流部を訪ねて(愛媛県西条市)

6月20日、愛媛県歴史文化博物館の歴史文化講座バスツアーで、西条市の加茂川の上~中流域、止呂峡(とろきょう)と兎野山(とのやま)集落を訪ねた。加茂川は石鎚山系を源流に、北へ流れて瀬戸内海に注ぐ長さ28キロの二級河川である。谷川、東之川、市之川など多くの支流を合流させ、急峻な山から供給される豊富な水は、中流部で狭いV字谷や滝の景観をつくる。
その代表ともいえる止呂峡は、江戸時代から下流の西条藩の人々のリクリエーション、「遊山」の場として親しまれていた。さらにその下流部の山村集落の兎野山地区では、渓流が懸崖の河岸段丘に行く手をはばまれて大きく湾曲し、180度方向転換して、「逆様川(さかさまがわ)」と呼ばれる「ひ」の字型の美しい景観を生み出している。
こうした止呂峡や兎野山の絵図が、江戸時代末期の西条藩の記録「西條誌」に残されていて、今回のバスツアーはこの古文書と現代を、現地を訪れて比較して学び、楽しむ企画だった。
加茂川はその後、多くが伏流水となって下流の扇状地を潤し、「うちぬき」とよばれる自噴水として街角のそこここに湧いて、人々の営みを支えている。西条市は「水の都」といわれている。
大きな干潟が広がる開放的な河口とは対照的に、2000mの山から流れ出し、急峻な山肌を削り下る加茂川の上流の姿はかなり荒々しい。水は澄んで青く、新緑を映し、江戸時代末期天保年間から200年余、変わらぬ姿で流れくだっていく。







