面河川と仁淀川

愛媛県久万高原町の石鎚山(1982m)南面を源流に124キロを流れ下り、高知県土佐市から太平洋に注ぐ川がある。四国で吉野川、四万十川に次ぐ一級河川だが、愛媛県では面河(おもご)川、高知県に入ると仁淀(によど)川とよばれている。5月5日と10日の2回に分けて、この川を訪ねた。
高知県側の仁淀川は「仁淀ブルー」といわれる水の美しさで知られるが、愛媛県の面河川ももちろん青く透き通った清流で、深く谷を穿ってつくられた渓谷は、「面河渓」として国の名勝に指定されている。
核心部の面河渓入り口には、久万高原町立「面河山岳博物館」があり、石鎚山系の植物、動物、岩石などの自然環境や、霊峰とあがめられる石鎚信仰などの常設展示があり、小規模ながら充実している。企画展示は個性的なテーマで定評があり、訪れた5月5日は、「田んぼのぬしトノサマガエル」展が始まったばかりだった。久万高原町でトノサマガエルが近隣にくらべて多く生息しているのは、高原の気候に合わせた稲作スタイルとトノサマガエルの繁殖リズムが合っているから、との解説だった。水田という「湿地」が、生きものの命を支えている。
仁淀川の高知県立自然公園「中津渓谷」を訪ねたのは5月10日。米国からの四国サイクリングツアー8人のグループなどインバウンド観光客も多く、なかなかの賑わいだった。河岸の自然石などをうまく利用して整備されている遊歩道は、空の青、山の緑、渓谷を埋める巨岩の白、水のブルーを満喫できる。ドウドウと流れ下る川音を縫ってカジカガエルの声が響き、ミソザザイが川にも負けじと大きな声でさえずっていた。
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